日記14

院試の結果を見た。不合格だった。わかっていた、わけではないが、仕方がない。これは重大なことではあるのだが、日記に書きたいことが特にないのでこの報告だけにする。

「傷心」ということで映画館に行き、『雨を告げる漂流団地』を見た。Netflixでも見られたみたい。素直に感動したが、音量がうるさかったのと、展開がしつこかったのが気になった。まあ、気になっても感動はするんだからどうしようもない。

ボードリヤール『消費社会の神話と構造』を買って一章だけ読んだ。日常の偉大さを錯覚するために「日常的な宿命」の一例として自動車事故を報道する、的なことが書かれていた。少し前に、アルバイト先の大人に「お前やべぇじゃん」と言われたのを思い出す──村田沙耶香コンビニ人間』の同窓会のシーンも同時に思い出す。「やべぇ」と言うのは「思いやり」などでは決してなく、単に自分の日常の偉大さを確かめたいから、なだけな気がする。これは一つの解釈なだけであって、現状に対する癒しになるわけではない。